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『リトルターン・ロストターン』孤独に向き合う大人の絵本

リトルターンとロストターンの紹介画像

誰だって急に大きな悩みや苦しみ、悲しみを抱えてしまうことがある!

何度でも読み返したくなる大人向けの絵本、『リトルターン』と『ロストターン』。

『リトルターン』はある日いきなり飛べなくなってしまった鳥の冒険から物語がはじまり、『ロストターン』は故郷を失った鳥と家族を失って絶望している老人が出会い物語がはじまります。

ある日突然すべてのことが変わってしまったという、誰にでも起こりうる耐え難い状況…。なんとなく寂し気な美しい絵本『リトルターン』と『ロストターン』のあらすじを簡単に紹介します。

『リトルターン』あらすじ

なぜかわからないけど急に飛べなくなってしまった鳥。アジサシという小さな痩せた鳥。それが主人公のターン。頑張って飛ぼうと努力してもやっぱり飛べない。ターンは絶望します。

失ったものをなんとか取り戻したい!そこからリトルターンの冒険が始まります。地上を歩く生活を始めたターンは今までに意識しなかった新しいことに気づきます。

「普通とか普通でないとかいう見方にとらわれている限り、普通じゃないものは普通じゃないんだ」


この話には続編があります。それが『ロストターン』です。

ロストターン

嵐のせいで故郷を見失ってしまったターン。迷子になり帰れなくなってしまいました。そして大きな喪失感とともに海を漂います。そんな中、鳥はある老人と出逢います。老人は家族を失い絶望していました。

同じ喪失感を持つ鳥と老人。自然とお互いを意識しはじめます。

酷くつまらない現実。でもここで生きていくしかない。それは自分だけじゃない。鳥も孤独、老人も孤独。鳥と老人はそれをしっかりとかみしめ、生きていく道を見つけていきます。

孤独に向き合う2つの物語

どちらの本も、どんな状況でも再び羽ばたくことが出来る、居場所はどこにでもある、ということを教えてくれる孤独で優しい物語です。

誰だって急に大きな悩みや苦しみ、悲しみを抱えてしまうことがあります。時には運命が非常に残酷だと感じるかもしれません。ですがどんな運命であれ、それを受容して生きていかなければなりません。

孤独や喪失感を知っているからこそこの本の意味が分かる、まさに大人の絵本ですね。

→『リトルターン』

→『ロストターン』

著者:ブルック・ニューマン
翻訳:五木 寛之

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