ミステリー、サスペンス小説を一言感想付きで、簡単に紹介!
📙悪魔には悪魔を 大沢 在昌 (著)
失踪した兄になりすまして麻薬組織に潜入する双子の弟が主人公のミステリー小説。
<キーワード>潜入捜査・麻薬組織・ベトナム
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潜入捜査中に失踪したマトリ。その身代わりとなって潜入捜査をすることになったのは、元アメリカ兵として軍隊にいた双子の弟。ベトナムの麻薬密売組織「クィー」について調べていくうちに警察側にもスパイがいることが判明。いったい誰が…。
🗨️感想
弟の強くて頼もしくて賢いキャラが好き。元軍人とはこんなにも強いものなのか、というどうでもいい感想が残った(笑)
クィーとは悪魔の事。
✔️読んでいてなぜか安心できるミステリー
→『悪魔には悪魔を』 講談社 (2024/4/12)
📙黒い糸 染井 為人 (著)
結婚相談所でアドバイザーとして働くシングルマザーが主人公。ある日、息子の小学校で女児が失踪するという事件が起き、その事件に巻き込まれてしまう。
<キーワード>宗教・遺伝
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主人公の息子の小学校でクラスメイトの疾走事件が起きる。事件後に休職してしまった担任に替わり、引き継いだ新しい担任がクラスの女児から犯人について心当たりがあると聞かされる。その後、その女児も事件に巻き込まれて重傷をおってしまう。
🗨️感想
いつも通り、みんながしっかりと事件に巻き込まれてしまう。他の作品に比べて残酷なシーンが少ないので読みやすかった。
本当に上手に仕上げるなぁと、毎回関心する。そして面白い!
✔️ヒトコワ~
→『黒い糸』 KADOKAWA (2023/8/30)
📙エレファントヘッド 白井 智之 (著)
多重解決ミステリー。精神科医の象山が謎の薬を手に入れ、おかしくなっていくというストーリー。
<キーワード>グロ・ドラッグ・SF
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謎の薬を手に入れた精神科医の象山とその家族がどんどん複雑なことになっていく。これ以上は説明できない。
🗨️感想
序盤から一気にストーリーに引きずり込まれ、凄すぎて気が狂うかと思った。よくもまぁここまで複雑に組み立てたもんだ、と思った。
✔️多重に多重をかさねた特殊設定についてこれるか?
→『エレファントヘッド』 KADOKAWA (2023/9/26)
📙正義の申し子 染井 為人 (著)
引きこもりのユーチューバーが悪徳請求業者と直接対決をしようとするが、お互いに複雑な状況に巻き込まれピンチになる。
<キーワード>二重人格
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引きこもりのユーチューバー、ジョンが悪徳請求業者に電話をかけ、相手(鉄平)をおちょくる。さらに、直接対決を動画で配信しようと考えるジョン。鉄平もジョンに仕返しをしようと、動画を手がかりにジョンを探す。二人が会うことになってから揃って大ピンチに陥ってしまう。さらに女子高生のジョンの妹とその友達もトラブルに巻き込まれる。
🗨️感想
ジョンが気色悪かったけど面白かった。ジョンも鉄平もどっちもどうしようもないヤツだけどなぜか嫌いになれない。最後良かった~。
✔️マスクを取る、マスクを被る。
→『正義の申し子』 KADOKAWA (2021/8/24)
📙海神 染井 為人 (著)
東日本大震災を題材にした社会派ミステリー小説。被災した天ノ島のための復興支援金が不正に使い込まれているという疑惑が発生する。
<キーワード>横領・復興ボランティア・アレキシサイミア
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震災後、行政が機能しなくなり2日も経つのに救助隊がやってこない小さな島。ボランティアとして訪れた女性、そして災害対策のプロとして島に入り込んだ、NPO団体の代表の男。
それから2年後、被災した天ノ島のための復興支援金が不正に使い込まれているという疑惑が発生。さらに10年後、島の海から黄金のインゴットが見つかり、事件は動き始める。
🗨️感想
最初から泣ける。最後に書かれている参考文献を見た時切なさが倍増した。
物語はフィクションと言えど、実話に基づいている部分が多いと思う。
島で起こった数々の心霊現象に感動した。
✔️実際に被災した人には辛すぎる内容
→『海神』K光文社 (2021/10/19)
📙悪い夏 染井 為人 (著)
悪い人だらけが登場する、生活保護制度を題材にした小説。生活保護受給者のもとを回るケースワーカーの人生転落劇。
<キーワード>不正受給・ドラッグ・貧困ビジネス
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生活保護受給者のもとを回るケースワーカーの主人公が、同僚の悪事をあばこうとしたことをきっかけに人生を転落させてしまう。
生活保護の不正受給者、育児放棄の母親、ヤンキー、ヤクザ、闇医者…。どうしようもない悪い人達が次々と登場する。
🗨️感想
最後、凄い状態をサクッと描いているのがウケた。
フィクションだと分かっているが、結局本当に必要なところに国からのお金が回っていないんだろうなぁ~と想像した。
✔️近くにいると「悲劇」に見えるものが、遠くからは「喜劇」に見える
→『悪い夏』KADOKAWA (2020/9/24)
📙滅茶苦茶 染井 為人 (著)
コロナ禍の鬱々とした世の中が舞台。3人の人生転落エピソードを絡み合わせた人怖ストーリー。
<キーワード>新型コロナ・詐欺
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プライドの高い独身のキャリアウーマン、進学校に通うが学校についていけずに地元の不良とつるむようになった高校生、3件のラブホテルを経営している3人の子の父親。この3人の人生がハイスピードで悪い方向に向かってしまう。
🗨️感想
詐欺、不正受給、マフィアにヤクザに売春ビジネス。ホント滅茶苦茶。
「コロナ禍対策で打ち出される政策って、結局の所パフォーマンスで、お偉いさんや大きい会社が中抜きして儲けてるだけ」ってさりげなく本当の事を言っててナイスだと思った。
✔️新型コロナウイルスに必要以上におびえてしまったのはメディアのせい。
→『無茶苦茶』講談社 (2023/5/10)
📙震える天秤 染井 為人 (著)
高齢ドライバーによる死亡事故が発生。そこに取材に行ったライターが主人公。加害者の村を訪ねるが、村人達が何かを必死に隠している。
<キーワード>高齢者ドライバー・過疎・認知症
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コンビニに車が衝突し、中にいた店長が死亡する事故が発生した。加害者は過疎化が進んだ小さな村落に住んでいた。
警察やマスコミによると、今回の事故はただのアクセルとブレーキを踏み間違えた認知症の高齢者による事故として捜査されている。しかし、この村を訪ねたフリージャーナリストの主人公は、村人たちを独自に取材するうちに、何か大きな違和感を持つようになる。
🗨️感想
過疎化、虐待、認知症、災害、セクハラ、パワハラ、少子高齢化、高齢者ドライバーなど、実に様々な社会問題を練り込んで作られているのが面白い。さすが。ただもう少しドキドキハラハラしたかった。
✔️認知症かどうかの判断はむずかしい!
→『震える天秤』 KADOKAWA (2019/8/30)
📙鎮魂 染井 為人 (著)
半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが次々に殺害される。すこぶる頭の切れる犯人に、メンバーも警察も振り回される。
<キーワード>復讐
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残虐な半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが次々に殺害される。犯人はこのメンバーに深い恨みを持つ男。失った大切な家族の為、復讐の化身となる。
🗨️感想
あの手この手で振り回され、そうきたかぁ。『正体』同様、しんみりとした余韻の残る物語だった。そして残虐過ぎて善悪の感覚がよくわからなくなる。実際にこのような組織があると思うとゾッとする。
✔️やられたらやり返す、そこには悲しみの連鎖しか生まれない。
→『鎮魂』双葉社 (2022/5/19)
📙正体 染井 為人 (著)
脱獄した死刑囚が主人公のサスペンス小説。正体を偽りながら、各地で潜伏と逃走を繰り返す。
<キーワード>冤罪・社会問題
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埼玉一家惨殺事件の未成年死刑囚が脱獄する。その少年は各地で潜伏と逃走を繰り返す。その間に少年と接した人達が彼に抱いた感情や人物像とは。
そして潜伏先での少年の行動をつなぎ合わせるとその目的が…。
🗨️感想
読んだ後にズーンと重い余韻が残り、喪失感でいっぱいになります。無駄な場所が一つもない完璧なストーリー展開で、ページをめくる手が止まらなかった!
✔️とにかく読むしかない。
→『正体』光文社 (2020/1/21)
📙暗黒童話 乙一 (著)
グロテスクなミステリーホラー小説。目を臓器移植した記憶喪失の少女が主人公。
<キーワード>臓器提供・記憶喪失・猟奇的殺人
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事故で記憶と左目を失ってしまった主人公の菜深が、臓器移植で眼球の提供を受ける。それからというもの、眼に映る様々な物がトリガーとなって左目の元の持ち主の記憶とつながる。
そして左目には過去に誘拐されたある少女の映像が映し出された。ひょっとして左目の提供者は何か事件に巻き込まれたのでは?それを探るため、菜深は左目が映し出した映像を頼りに現地に向かう。
🗨️感想
グロテスクな描写があまり好きではない私が、なぜか不思議と面白い!と思ってしまった。そしてあのカラスが結構好き。切ないわ~。
✔️複雑な気分になってしまう不思議な物語。
→『暗黒童話』集英社 (2004/5/20)
📙ある男 平野 啓一郎 (著)
他人の人生を生きていた「ある男」の話。
<キーワード>在日・戸籍交換
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夫が事故で亡くなった後に全く違う人だったと言う事を知った家族。その男が誰なのか調べてほしいと依頼を受けた弁護士。この弁護士の調査でどんどん男の過去が分かってくる。
🗨️感想
人生を他人と入れ替える…なかなか面白い設定。主人公の弁護士もまた家族との問題を抱えていて複雑。しかも最後まで微妙に複雑…。
本書には知的な表現が多く見られ、とても丁寧な文章だけれど、それが読んでいて邪魔になることがあった。そこを評価している人もいる。
✔️どうやら映画化されてるらしい。
映画の詳細→https://movies.shochiku.co.jp/a-man/
→『ある男』文藝春秋
📙デス・エンジェル 久間 十義 (著)
かなりやばい医療サスペンス。相次いで発生する老人の不審死に疑問を持った新人研修医が事件に巻き込まれる。
<キーワード>高齢者医療・人怖
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主人公は総合病院に赴任した新人研修医の森永慧介。この病院では不可解な不審死が相次いでいる。にも関わらずなぜか病理解剖がされずうやむやにされる。真相を探っていくうちに主人公も事件に巻き込まれてしまう。
「父はこの病院に入院する度に、頭がおかしくなるんです。」
🗨️感想
とんでもなくありえない設定…ではあるものの、面白い!そして怖い。
✔️入院中に読めば面白いと思う(笑)
→『デス・エンジェル』新潮社
📙赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。 青柳 碧人 (著)
童話をベースにした面白ミステリー。主人公の赤ずきんが事件の真相を探る。
<キーワード>ブラックコメディ・童話・ミステリー
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ピノキオの身体のパーツを探す旅にでた赤ずきん。ゆく先々でまたもや事件が発生。『白雪姫』『ハーメルンの笛吹き男』『三匹の子豚』と、誰もが知っている童話をベースにした連作本格ミステリー第二弾。
🗨️感想
相変わらずインパクトのあるタイトルとキレのある文章がイイ感じ!今回も面白かった。
✔️暇つぶしにおすすめ。
→『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』 双葉社
📙モニタールーム 山田 悠介 (著)
刑務所の地下のモニタールームで映像を見るという簡単な仕事を見つけた主人公。なんと月収100万円!
<キーワード>絶対不可能ゲーム・刑罰
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月収100万円の仕事、それは刑務所の地下のモニタールームで映像を見るという簡単な仕事。これは極秘に行われている特別な刑罰だった。受刑者に地獄の様な苦しみを与えるのが真の目的で、そして今この女の刑罰が執行されている。日本という国は表向きは平和だがとんでもない。こんな恐ろしい国はない!
🗨️感想
心がどんよ~りした。なぜ途中で読むのをやめなかったのか自分でも謎。残念…。
✔️山田悠介の作品を制覇してやろうと思う人にはおすすめ。
→『モニタールーム』角川文庫
📙スイッチを押すとき 山田 悠介 (著)
主人公は青少年自殺抑制プロジェクトセンターの監視員。ここでは少年少女らに自らの命を絶つ“赤いスイッチ”を持たせていた。
<キーワード>自殺・実験
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青少年自殺抑制プロジェクトセンター、その目的は青少年の深層心理解明のため、全国から無作為に選出された子供を高ストレス環境に置き、その精神構造を解明するというもの。
そこでは子供たちを極限状態で軟禁し、自らの命を絶つ“赤いスイッチ”を持たせ、実験をしていた。このスイッチを押すと、心臓が停止するように作られている。
孤独に耐えられず次々と命を絶つはずが、“7年間もスイッチを押さない”という異例の子供たちが4人いた。
🗨️感想
インパクトのある、非現実的なストーリー設定。それさえ受け入れることができればちょっぴり感動出来るかも…。若い人向けかな。
✔️一部の人からは大絶賛されている!
→『スイッチを押すとき』 角川文庫
📙暗鬼 乃南 アサ (著)
トラウマ級サスペンス。一見理想的な大家族に嫁いだ主人公。だがこの家族には何か秘密がある!
<キーワード>カルト・洗脳・変態
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信用出来るのは血の絆?いまどき珍しい大家族に嫁いだ主人公。家族の誰からも大切にされ、毎日賑やかに暮らしていた。しかしそんな理想的にも見える家族に対して、徐々に疑心を持ち始めるようになった。
「この家は普通じゃない。それだけは確かなのよ。」
想像を絶するストーリー展開と主人公の心情の変化が見どころ!
🗨️感想
・あまりのおぞましさにしばらくトラウマになりそう。
・ていうか読まなきゃ良かったとさえ思う。
✔️キーワードが気になる人はどうぞ。
→『暗鬼』 出版社 : 文藝春秋